masayoga column

ヨガ、ボディメイク、そして瞑想のための食生活

ヨガ、ボディメイク、そして瞑想のための食生活

先日にインスタやFacebookで、その日のブランチをアップさせていただきました。
よく、「先生の食生活ってどんな感じですか?」って聞いていただくので。

で、ボクの場合、ちょっと特殊かもしれません。
うちのスタッフも、ボクと似ていて、体や脳のために何を食べるのがいいかに基づいて、食生活を送る欲求が何を食べたいかという欲求に勝つんですね。

 

言い換えれば、食べたいものは特にない。
さらに言い換えれば、食べたいものは、ヨガ、ボディメイク、そして瞑想のためのものであるということです。

 

そういう観点から読んでいただくといいと思いますし、逆に言えば、特別に何か問題ない限りは、そんなに気にしなくていいかなとも思います。

我慢しないほうがいい。

 

また、頭で考えて食べない。
腸に聞いて食べるのがいいと思います。
そうすると、自然とジャンクは欲しくなくなるかなという感じがあります。

 

そして、私たちの食べたいものや、なんなら、何をしたいかしたくないかも含めて、腸内細菌層によるということも言われていて、私たちは微生物の乗り物にすぎないという、まさにリチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子の微生物版みたいな議論も常識となってきていますから、腸内環境を整えるというのもすごく大切な観点になってきますね。

 

とっても面白い議論ですので、ぜひ10% HUMANををご一読ください。

 

 

あなたの体は9割が細菌-微生物の生態系が崩れはじめた-アランナ-コリン

 

 

 

 

 

 

また、以前栄養学の時にも書きましたが、栄養学の難しさは、それそのものの難しさというより、人によって、合うもの、合わないが違うという多様性の問題があります。

 

 

 

 

 

巷でこれがいいよ!と言われても、自分には合わなかったり、また逆も然りで、自分で試すしかないんですよね。
なので、確かな情報をえて、自分の体でフィードバックを取るという方法がいいかと思います。

上記した、我慢しないほうがいいということですが、これはコルチゾールの問題があるからですね。
コルチゾールはご承知の通り、ストレスホルモンとも言われるもので、副腎から分泌されます。
これがなかなかの厄介者。

 

 

 

ストレスを受けると、闘争逃走反応を引き起こす扁桃核が発火し、そして、視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、副腎を刺激して、コルチゾールが分泌されます。

 

これが、適正な量であれば、最終的に脳で回収されて、ストレス反応は終わるのですが、ストレス社会の中で過剰なストレスにさらされると、分泌量が多くなりすぎて、これが脳を(特に海馬)を萎縮させてしまい、鬱などのいろんな精神症状が出ると言われています。

 

また、コルチゾールが分泌されると、ある意味戦闘態勢になるので、血糖値が上がります

血糖値が上がるということは、インスリンが膵臓のランゲルハンス島から分泌され、血糖濃度を下げようとします。つまり、細胞や神経にグルコースを取り込む働きがあるんですね。

 

 

でも、このインスリンはまたこれがやっかいで、インスリンは強力な肥満ホルモンと言われています。つまり、血糖の脂肪合成を促してしまうのです。

かつ、ずっとインスリンが出ている状態が続くと、インスリン抵抗性が上がります。
つまり、インスリンが効かなくなるので、血糖値は高いまま、このため、インスリンがで続けてしまうという悪循環に入ってしまうのです。

太る、太らないというところに、いかにインスリン耐性をあげないかということが絡んでくるのです。

この辺りは、後述する食のガイドラインに出てくる、リーンゲインズやインターミッテントダイエットとも関係してきます。
これは、食べない時間をしっかり作って(プチ断食と思っていただいても、いいでしょう)、インスリン濃度が低い時間を作り、インスリン抵抗性を下げようという意図があります。
この辺りは、「トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ」を参照してみてください。

でも、インターミッテントやると、痩せてしまいますから、体を大きくしたいとか、特に痩せたいということでなければ、必要ないかなあとも正直思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このため、ストレスをためて、食生活コントロールをするより、美味しく、楽しく、感謝(またこの感謝というところがめっちゃ大切なことなんです。感謝をする人は自己効力感が高まるという研究もあります)して食べるほうがいいと、ボク自身は思っています。

ちなみに、ボクは、食生活コントロールをしないとストレスが溜まるというふうに脳にプログラミングしてありますので、努力が全く必要ないというある意味、ラッキーな状態に自分を整えてあります。

(これを友人に言ったら、「そんなの全然ラッキーとは思わない」と一蹴www。価値観の違いですね!多様性は好きですwww)
ちょっと脱線しますが、自己コントロールができる人は、いろんなストレスからもスッと解放されやすいという学術的研究もあります。
ある意味、いい意味で、ドライな感じになるのでしょうかね。
例えば、空腹が起きていても、自分がお腹減っているというより、お腹減っていることが起きているだけというようなメタ認知が起きて、別に今でなくてもあとで食べればいいやという感覚にスッと切り替えることができます。
同じように、嫌なことが起きても、別にそれに今脳を支配されることより、生産的活動をしたほうが楽しいから、そっちにしよーとサラーっと流せる感覚と似ています。あんまり引きずらない。

さて、そんなわけで本題に入りたいと思いますが(いつも、前置きが長い!!でも、とっても大切なことでした。)

ボクの場合、
・動けるカラダ作り
・覚醒した脳
・そうして、ヨガや瞑想が深まる
ということを目的に、食生活を送っています。

 

 

 

 

 

それで月曜日に出させていただいたブランチのメニューは、
・有機栗
・ブロッコリーとアボカドのサラダ(with アマニ油&MCT)
・納豆のキムチ和え
・マグロ柵のりねー酢乗せ
でした。

大体いつもこんな感じです。
牛豚鳥はあまり食べません。
これは、なかなかその飼育状況まで把握して、トレースバックすることが難しいのと、飽和脂肪酸の問題があります。
(でも、もちろん、コースでの会食とかで出てきたら、喜んで食べますよ〜☆)

 

 

 

 

 

 

そして、ボクの食生活の摂取のポイントあるいはガイドラインは、
・良質な脂質を摂る(不飽和脂肪酸の中でも、ω9とω3)
・タンパク質、脂質、炭水化物をバランスよく摂る
・タンパク質は多め(ボクの場合は体重1kgあたり2g)
・野菜、食物繊維をしっかり摂る
・発酵食品を摂る
・加工食品を避ける
・なるべく調理しすぎないように

・果物の過剰摂取は控える
・動物性のものは飼料を使って養殖や飼育されているものを防ぎ、天然またグラスフェッドのものを選ぶ
・添加物の無い物を選ぶ
・なるべく無農薬な物を選ぶ
・レクチンを避ける(リーキーガットを防ぐ)
・食べる時間を気をつける(リーンゲインズ)
・サプリは必要ないという立場だが、うまく活用する
です。
一つひとつ説明させていただきたいと思います。
長すぎにならないようにコンパクトにしてwww
<良質な脂質を摂る>
脂質って、一括りにして、なんか太りやすいものとか、なるべく控えたいものというようなイメージがあるかもしれません。
でもこれが全く間違いなんです。
脂質代謝を促すにも、また脂溶性ビタミンなどの微量栄養素の吸収などにも機能するのが脂質なのです。
しかし、脂質の中にも種類があって、脂肪酸の種類で分けてみるといいでしょう。
脂質の取り方について、結論から言うと、
「質のいい脂質をメインに全カロリーの2〜3割くらいで摂取する」
と言うことをオススメしています。脂肪酸の種類といいましたが、それらは大きくは、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に分けられます。飽和脂肪酸は炭素結合が全て一重結合で、周りに結合する水素によって全て埋められているような(つまり飽和している)構造をしているため、飽和脂肪酸と言われます。
不飽和脂肪酸は、炭素が二重結合していて、周りの水素の一部が空いているような構造をしているため不飽和脂肪酸と呼ばれます。
 

 

 

また、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸(二重結合が一箇所)と多価不飽和脂肪酸(二重結合が二箇所以上)に分けられ、多価不飽和脂肪酸は、さらにn-3系脂肪酸(ω3)とn-6系脂肪酸(ω6)に分けられます。

それぞれ体に及ぼす影響は多種多様で、まとめると、一価不飽和脂肪酸とω3系脂肪酸を意識的に摂取することをオススメします。

 

 

 

飽和脂肪酸は、言わずもがな、なるべく摂取を控えたい脂質です。
悪玉コレステロールとも言われるLDLコレステロールの血中濃度を高め、動脈硬化など心臓系の疾患の原因になるとも言われています。

これを多く含む食品は、牛乳、バター、ラードなど肉からの油になります。

摂らないほうがいいとまでは言い切りませんが(食べるプラスチックとまで言われるマーガリンは、摂取により狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患のリスクが高まるとされるトランス脂肪酸を含みます。
それを食べるくらいならバターのほうがよっぽどいいです)、なるべく控えたいです。
飼育状況によって発生するレクチン問題もありますが、ボクがあまり肉を食べない理由は、この飽和脂肪酸をなるべく控えたいというところにもあります。

 

 

 

 

 

一価不飽和脂肪酸は、オレイン酸で、それを多く含む油の代表格はオリーブオイルです。
これは、コレステロール低下を促しますが、善玉コレステロールは下げないという特徴があるとされていますが、科学的な根拠には乏しいようです。

ただ、オリーブオイルには他のポリフェノールなどの成分があるためそこからの健康効果ではないかとも言われています。
一価不飽和脂肪酸を含む食品は、オリーブオイル、ナタネ湯、アーモンドなどです。

 

 

 

 

 

 

ω6系脂肪酸の代表格はリノール酸で、コレステロール低下や血圧低下などの良い効果もあるのですが、善玉コレステロールも下げてしまうという側面を持っています。
これを多く含む食品は、ごま油、ひまわり油、大豆油です。

スナック菓子やカップラーメンにも多く含まれていて、控えたいものの対象にしています。
ω6系脂肪酸は、食事で普通に入ってきていると思ってください。積極的に摂取しようとしなくて良いというのが、私たちの意見です。そして、特に意識的に摂りたい脂肪酸の代表格が、ω3系脂肪酸。
これは必須脂肪酸であるリノレン酸、またそこから合成されるDHA(ドコサヘキサエン塩酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などです。こうしたω3系脂肪酸は、コレステロール低下、血圧低下、肝臓の脂肪酸酸化系酵素を増やし、中性脂肪を低下させる、また脳への好影響があるなど、いいことずくめです。
これらを含むのは、魚介類、シソ油、亜麻仁油、くるみ、ナタネ油になります。

天然魚を積極的に摂りたい理由もこれがその一つになります。

<タンパク質、脂質、炭水化物をバランスよく摂る>
栄養素は何かがあることによって何かに偏ると、機能しずらくなります。
例えばビタミンDはカルシウムによる骨合成を促したり、脂溶性ビタミンは脂質があって吸収されやすくなったりします。
栄養素はそれぞれ保管しあって、やっと機能するようになるのです。
減量だからと言って、トレーニングをしているにも関わらず、炭水化物を取らないと、筋グリコーゲンとしてグルコースが取り込まれないので、パフォーマンスが落ちたりと何かが欠けるとやはりよくありません。
このため、バランスをしっかりと確保したいものです。
目的やその方の状況にもよりますが、
ボクは、
タンパク質:4割
脂質:3割
炭水化物:3割
くらいで回しています。
<タンパク質は多め(ボクの場合は体重1kgあたり2g)>
これは、正直なんとも言えません。
健康な状態を保つには、タンパク質の摂取量は、体重1kgあたり0.86kgが適切という意見や、もっと少なくてもいいという学術的研究もあります。

この本をよければ参考にしてみてください。

 

 

 

 

フィジーク選手など体を鍛えている人の場合、欧米では多くなれば、体重1kgあたり6gも摂っている方もいらっしゃいます。

タンパク質を摂りすぎると、腎臓への負担が大きくなり、腎臓疾患の元になるという意見がありますが、あちこちの文献をみてみた結果、腎臓に今問題がなければ、体重1kgあたり2gの摂取は問題はないということが主流の意見のようです。

そして、タンパク質をしっかりと摂取することによって、内臓脂肪や皮下脂肪などの体脂肪も減少するということもわかってきています。
このため、ボクはこの2gを摂っていますが、これもなかなか人によっては大変かもしれません。
特に、トレーニングをしていない場合は、0.8〜1.2gくらいの間で十分かなと思います。
ちなみにタンパク質摂取でも、インスリンはしっかりと出ますので、糖質制限のカラクリは崩れたと言ってもいいでしょう。
糖質制限の代表格でもあったアトキンソンダイエットも一年以上の効果の継続を担保できないことや、頭痛や下痢など、炭水化物が少ないことによる副作用もみられ、長期的な安全性は保証できないと報告されています。
<野菜、食物繊維をしっかり摂る>
野菜には、六大栄養素とも言われる食物繊維、また、7大栄養素と言われる抗酸化物質(ファイトケミカルとも言われます)、また、五大栄養素であるビタミンやミネラルなどの微量栄養素がふんだんに含まれています。
レクチンフリーを考えると、ナス、トマト、キュウリ、ジャガイモ、カボチャ、ピーマン、パプリカ、唐辛子、豆類(発酵しているものは可)は、避けるべきもので、
積極的に摂りたいのは、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ホウレンソウ、アスパラガス、オクラ、チンゲン菜、白菜、大根、カブ、ニンジン、ビーツ、セロリ、タマネギなどはしっかりと摂りたい野菜になりますね。
三大栄養素をバランスよく摂取するのところでも書きましたが、腸内細菌がそうであるように、食物も多様性が大切です。
ビタミンやミネラルもそうですが、アントシアニンやフラボノールなどのポリフェノールやβ-カロテンやルテインなどのカロテノイドといった抗酸化物質も含み、人間にとって毒である酸化(もう一つは糖化)を防いでくれる効果があります。
食物繊維も様々な効果があります。
・食後の血糖値の上昇を抑える
・コレステロールを吸い寄せて、体外に排出させる
・ナトリウム排出を促し、高血圧を予防する
・肥満の予防にもなるので、肥満によって引き起こされる疾患の緩和にもなる
・便を増やし、排便を促す
・有害物質を吸着させて排出する
・脂溶性も水溶性も両方とも大腸内の腸内細菌が分解し、善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善される
このため、積極的に摂取したいものです。
<発酵食品を摂る>
発酵食品は、日本が世界に誇るものですね。日本食の十八番です。
発酵食品だけではないですが、2013年12月には、「和食;日本人の伝統的な食文化」が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されました。
発酵とは、「何らかの食材についた微生物が繁殖を繰り返し、もともとの食材の成分を変化させること」とされています。
そして、発酵と腐敗は同じことで、私たち人間の体にとって、有益と見なされる場合には「発酵」と呼ばれ、害がある場合には「腐敗」とされています。
発酵食品は腸内細菌を増やして、腸内フローラを整える作用があるだけではありません。
発酵過程で作られる酵素が食物の消化吸収を助けてくれるという効果もあります。
また、神戸大学とキリンホールディングス(株)の共同研究により、納豆、酒粕、青カビチーズなどの発酵食品に含まれる成分が脳内炎症の抑制を通じて抑うつ状態の改善に繋がる可能性があるとしています。
つまり、発酵食品によって、気分もよくなることが、腸内フローラが整って、ホルモン分泌が促されるだけでなく、脳内炎症の抑制という脳に対する直接的働きかけが示唆されたことになります。
———————————-
さて、ここからの項目は、ほぼ全て腸内環境に関するものになりますので、腸内環境を整えるという観点から書きたいと思います。
それと、前回も書きましたが、こうしたことがあなたに合うかどうかは、本当に個人差があります
これらは、様々な文献を元にして、masaが実践して効果の出ているものをご紹介すると言う趣旨です。
なので、鵜呑みにせずに、情報を上手く活かして、いろいろ試行錯誤してみてください。
そして、情報食習慣を厳密に管理するのがとにかくストレスになるなら、ストレスにならないことが第一ですので、気楽にやってみてくださいね。
have to でやるのではなく、want to で、楽しみながらご自身の体で試していただければと思います。
後述するリーンゲインズも、同じ時間プチ断食してても、気持ちも体も
・我慢して飢餓状態になる人
・効果的な断食になる人
がいます。

 

 

 

 

 

 

ここは例えば、「断食することでより美味しくなる」という断食をより楽しい食生活を送るためのスパイスみたいな感じで捉えていただければこれはwant toになりますね。
だけど、これはダメあれはダメという感じだとストレスが溜まりますので、それがもたらすメリットの方にフォーカスしていただくといいかと思います。

さて、前回も書いたように、細菌叢(マイクロバイオータ)によって、私たちの体や心の状態は支配されています。

例えば、もし加工食品やジャンクを欲するならば、それは頭で考えていると言うより、腸内環境がそのようなマイクロバイオータの状況になっているからであると言う説があります。

言い方を変えれば、私たちは、健康な心身でいるためには、健康なマイクロバイオータが必要で、そうした微生物との共存が大きなテーマになります。
そして、なぜ加工食品を取りたくない、なるべく農薬の少ないものを選ぶ、また添加物の少ないものを選ぶのかというと、加工食品に含まれる添加物や人工甘味料は、このマイクロバイオータを壊してしまうのです。
そして、農薬は体に炎症反応起こしてしまいます。

さらには人工甘味料は、それだけでなく、甘いと言う情報が脳に行くのに関わらず、栄養が入ってこないので、脳がもっと甘いものを欲すると言うサイクルに入ってしまい、満足するどころか、どんどん甘いものが食べたくなると言う逆効果を生みます。

また、抗生物質も、一気に腸内細菌を殺してしまいますから、本当に必要な時のみにした方がいいです。薬関係で言えば、胃薬などもマイクロバイオータに悪影響を及ぼします。
ちなみに、果物の話は、ちょっと話が腸内環境からそれますが、その過剰摂取を避けると言うのは、以下のような理由です。
・レクチンを含むものが殆ど。
・果糖(フルクトース)が含まれている。
 
レクチンは後述しますが、フルクトースは、グルコースと違って、まず肝臓で代謝されなければなりません
このため、肝臓への負担を増やすと言うことに加えて、フルクトースは血糖値を急激には上げないのです。
血糖値が急激に上がらない糖としていいものとする考えもありますが、これは言い換えれば、満腹中枢が刺激されないと言うことです。
果物は、食べてもらうことで種を拡散しますから、満腹中枢をいきなりは刺激せず、食べ続けてもらえる果糖を選んだという説もありますが、それもすごい話ですね。
なので、果物は食べ過ぎになってしまうことが多々あると言うことですね。
また、果糖はブドウ糖の10倍もAGEs(終末糖化産物)という物質を生み出し、これによって老化現象が起きてしまうということも指摘されています。
そして、いずれにせよ肝臓での代謝後に使われるとは言え、しっかりとエネルギーはありますし、食べ過ぎてしまうものでもあります。
肝腎要な肝臓にダメージを与えますから、やはり食べ過ぎは避けたいものになります。

 

 

 

なので、果物の100%ジュースなどは果糖爆弾を体に送り込んでいるようなものです。

そう言う意味でも、なるべく調理しすぎない、なるべく現物に近いものがいいですよね。

この辺りは、農耕が始まる前の食事に戻すと言うパレオダイエットにも通ずるところですが、ジュースを飲むくらいなら、食物繊維やその他栄養素を含む、加工してない生のフルーツを食べる方がいいですね。

さて、レクチンですが、レクチンは、特定のタンパク質の総称です。
まず、「リーキーガット」について学びましょう。
腸は栄養吸収細胞同士が非常に密に結合しているため、本当に消化が進んでから出ないと、吸収ができないようになっています。
しかし、例えば、グルテンなどは、腸から「ゾヌリン」という物質を分泌させます。そしてこのぞぬりんは、栄養吸収細胞同士の結合をゆるくします。この栄養吸収細胞同士の密着結合が緩むことで、大きな粒子も入れてしまう状態となります。この腸の状態がリーキーガットです。
例えば、アミノ酸に分解される前のタンパク質が入ってしまうと、免疫機構がこれを異物として攻撃します。その他にも、細菌や後述するレクチンという植物毒が入ってしまい、これが全身に巡ってしまうのです。
そうなると、免疫機構が暴走して、炎症反応などを引き起こし、これが様々な疾患の原因となってしまいます。
肥満からうつから、本当に数多くの症状が出ると言われています。
度々、ご紹介している「食のパラドクス」でも、ガンドリー博士は以下のように指摘しています。
「レクチンの第一使命は、腸管を覆っている粘膜細胞の間のタイトジャンクション(密着結合)をこじ開けることだ。意外かもしれないが、腸管の表面積はテニスコート1枚分もあるのに、表面の粘膜はわずか細胞1つ分の厚さしかない。
そんな極薄の壁が、これほど広大な地域を見張っている様子を想像してほしい。そして腸管細胞はビタミン、ミネラル、脂肪、糖、単純なタンパク質は吸収できるが、レクチンのような比較的大きなタンパク質は吸収できない。
あなたの腸管とその粘膜が健康なら、レクチンは腸粘膜細胞の間を突破できないはず。だがレッドローバー〔日本の花いちもんめのようなもの〕という子供の遊びを思い出してほしい。
大柄な子供は、防衛線を力ずくで突き破ろうとしただろう。そしてレクチンが腸管を攻撃する時も、まさにこの手を使う。

 (中略)

 
レクチンは腸管周囲の組織、リンパ節、腺、血流など、本来いるはずのない場所に到達すると、そこで異種タンパク質として振る舞い、身体の免疫機構による攻撃を促す。トゲが刺さった時に白血球が対応して赤く腫れあがる様子を思い描いてほしい。
立ち入り禁止の場所にいたったレクチンは目には見えないが、免疫機構はそれと似たような反応をしている。炎症を引き起こすサイトカイン(いわば免疫機構に脅威の接近を知らせる空襲警報だ)水準を検査するたびに、私はこれを目の当たりにしている。」

 

 

 

 

こうして、各臓器で炎症反応が起きて、様々な疾患が発生するのです。

また、こうした炎症性サイトカインは、腸内にも炎症が起きることでも増えますが、これは、後述するインスリン抵抗性を高めてしまいます。
インスリン抵抗性が高まると、インスリンが効かない状況になりますので、糖尿病を引き起こしたり、肥満を招いたりします。

 

 

このリーキーガットを引き起こしてしまう原因は、様々ですが、その代表格が「レクチン」なのです。
レクチンは、「血球凝集素」と言われるタンパク質の総称で植物に含まれます。グルテンもレクチンの一種です。
植物は、食べられそうになっても抵抗できません。このため、植物が取った作戦が動物を弱らせ、死にいたらしめるような成分を持って、動物に抵抗することでした。

 

 

 

レクチンは、体中の細胞に結合します。レクチンは異種のものとして、免疫系が判断するため、免疫機構はレクチンが張り付いた組織もろとも攻撃してしまいます。いわゆる免疫系が自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患のような状態になるのです。

これが、頭痛、鬱、自閉症、バセドウ病、潰瘍性大腸炎、関節炎などを引き起こします。

個人的には脳へのダメージが大きいと言うのがなんともと言う感じです。
レクチンは迷走神経を通して脳に蓄積し、神経伝達を妨げると言うのです。
これによって、やる気が出ない、ブレインフォグ、集中力低下、物忘れなどが助長されてしまうと言うことです。

そして、レクチンは、多くの穀物、果物、ウリ系などの野菜に含まれていることが指摘されています。
玄米は胚芽に大量のレクチンを含み、小麦全粒粉はWGA(小麦胚芽凝集素)という最も小さく、軽いリーキーガットでも入り込んでしまうレクチンを含んでいます。
○ レクチンを含む望ましくない食べ物:
玄米、全粒粉含む小麦系全般、蕎麦、シリアル、ジャガイモ、豆類全般、豆腐、枝豆、ピーナツ、カシューナッツ、チアシード、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、メロン、トウモロコシなど。

○ レクチンを含まない望ましい食べ物:
天然魚、飼料で育っていない家畜、アボカド、アーモンド、くるみ、マカデミアナッツ、栗、ココナッツ、オリーブ、ダークチョコレート、海藻類、キノコ類、アブラナ科の野菜類(ブロッコリー、白菜、キャベツなど)、オクラ、玉ねぎ、葉菜類、サツマイモ、サトイモ、こんにゃく、味噌、キムチなど

リーキーガットを防ぐために、当然のことながら、望ましい食品を摂取し、望ましくない食品をなるべく避けるようにして、レクチンフリーな食生活を送りたいものです。
さて、次にリーンゲインズですが、これは食べる時間を管理して、行うものです。
・リーン(lean):体脂肪が少なく引き締まっている状態を意味します。
・ゲインズ(gains):筋肉がしっかりとつく状態を意味します。
このために、時間を管理します。
男女差がありますが、例えば、
・女性なら、12〜14時間は食べない時間帯。10〜12時間を食べていい時間帯とします。
・男性なら、16〜14時間は食べない時間帯。8〜10時間を食べていい時間帯とします。
なぜ、コントロールしたいかというと、それはこれひとつ。
「インスリン抵抗性」下げるためです。
簡単にいうと、インスリンは、血糖が高くなると、膵臓のランゲルハンス等から分泌されます。
インスリンの目的は、ただ一つ。
「血糖値を下げる」ことです。
なぜなら、体にとって毒はたくさんありますが、その中でも、
・酸素
・糖
は、それぞれ、酸化と糖化を促し、体をどんどん壊してしまいます。
このため、血管の中の糖濃度を下げることにより、この糖化を防ぎたいのです。
血糖値を下げるには、以下の手段があります。
・肝臓に入れる(肝グリコーゲンとなります)
・筋肉に入れる(筋グリコーゲンとなります)
・神経に入れる
・脂肪細胞に溜め込む
 
これらを行うために、インスリンは分泌されます。
しかし、血糖値がずっと高い状態に保たれて、ずっとインスリンが出続けると、ちょっと厄介なことが起きます。
それが、
「インスリン抵抗性」があがってしまうのです。
簡単にいうと、慣れが生じてしまい、インスリンが出ても効かなくなってしまうのです。
  
こうなると、いつも通り、インスリンを出しても効かないので、膵臓はもっとインスリンを分泌します。
そうして、またインスリンに晒され、抵抗性がどんどん強くなるという悪いサイクルに行ってしまいます。
また、インスリンは、上述したように、血糖値が下がりさえすればいいので、筋肉に行こうが、神経に行こうが、脂肪細胞に行こうが関係ありません。
そして、何が怖いかというと、脂肪細胞だけはインスリン抵抗性が上がらないのです。
よって、他の抵抗性はあがって、効かなくなる。つまり、糖が取り込まれなくなり、その分どんどん脂肪細胞に取り込まれてしまうのです。
もちろん、肥満は様々な病気の元となりますから、控えたい状態です。
よって、インスリン抵抗性を下げたいのですね。
そして、ホメオスタシスがそれに合わせてくれるまで、持っていきたいのです。
そのために、どうすればいいかというと、
なるべく血糖値があがっている時間を減らすことによって、抵抗性を下げます。
つまり、食べる時間を少なくして、血糖値がなるべく上がらないようにしたいのですね。
とは言え、基礎代謝、運動代謝、食事誘発性熱産生の分くらいは取りたいので、極度にカロリーを減らすことはお勧めできません。
制限しすぎて、脳が飢餓状態と判断すると、代謝を落とし、どんどん脂肪細胞に取り込んで蓄えようとしてしまいますし、カロリーを摂ることによって、もちろん燃えやすい、代謝のいい体になります。
また、筋肉もインスリン抵抗性が低い状態だと、筋グリコーゲンとしてグルコースを溜め込みますから、筋肉の動きも良くなりますし、大きく見えるようになったりします(これは価値観の違いで賛否両論あるでしょうが)。
そういう意味で、このリーンゲインズは、体も休めてあげることもできますし、インスリン抵抗性もコントロールできるいい方法です。
プチ断食的な感じになります。
またもう少し細かい話は、誤解を防ぐためにも直接講義の中で扱っていきますが、前回と今回書いた内容を実践してみていただくだけでも、様々な好反応が出るのでは無いかなと思います。
そして、繰り返しになりますが、無理は禁物ですよ。
変化を楽しみながら、あなたご自身にあった方法を見つけていきましょう。
tag:
share:

講座のお申し込み、メールマガジン登録、
ご質問などについては、
以下よりお問い合わせください。

お問い合わせ